合唱伴奏者選別に立候補することをすすめ、後押しをしてくれたA子、選ばれて、その時には喜び合ってくれた仲であったが、数日後彼女を含め数人がたむろしているところに昭子はいつものように顔をだす。
すると、ひとりふたり、となにげなく立ち去っていくものがあり、昭子はこれまでにない違和感をいだく。しかしこの時点ではこころあたりなど何もなく、まさか学級委員長の嫉妬による意地悪な根回しあってのことなど、思いもよらぬことであった。それが昼食後の休み時間、親友A子への声がけと、A子からの拒絶理由を聞かされ、昭子はやるせないいらだちを抱え込むこととなる。
「おかえんなさい」いつもと異なり、無言で帰宅している昭子を迎えた祖母は怪訝な顔つきで、彼女を覗きみた。
「昭子、どこか具合でも悪いん?」
俯きかげんに何か痛みをこらえているようで思いつめているような昭子、祖母は心配げになげかけた。
上目づかいに昭子は祖母を見「おばあちゃん、今日の昼休みこんなことあったん。ここん所、昭子一生懸命オルガン弾いてたやろ。
それって学習発表会で、うち達、みかんの花咲く丘の合唱をすることになったんやけど、その伴奏を誰にするかって。皆の中でピアノ弾ける人聞いて、そんで、皆の前で弾かされ決める事になったんやで。うちもやりたいから頑張って、そんでうちに決まったんやないんかね。そんなはずだったのに、B子は自分が選ばれんかったからって、A子をはじめ他の者達にもうちとは口きかんように意地悪したんよ。なんか変。腹立つ。B子は間違うとるよね、おばあちゃん。ほんまに腹立つ。」
はきすてるように訴える昭子。
「そんなことあったんけえ。」おばあちゃんはこないだまで昭子が一生懸命オルガン弾いているのを見てて、ただ昭子が選ばれることを願い選ばれて嬉しかったし安堵したけんど。そんな目に昭子が合うとるなんてびっくりしたし可哀想。おばあちゃんが行ってB子をたたいてやりたいのぉー。ほいでものう昭子、おばあちゃんが行ってたたいたからってどうにもならへん。逆に皆から見て昭子のほうがそれだけに上手じゃった云う証よのう。」
「おばあちゃん、B子は学級委員長なんよ。そんなことをしてるもんが、こんな意地悪するなんて、本当に許せん。」
「昭子、B子は学級委員長をするくらいやから、ほんまに頭もええんやろう。それやさかい悪知恵も働くんやろぉかのぉ。昭子のくやしい気持ち、よーく分かるで。
・・・ほんでものう昭子、それがええことか悪いことか、昭子にはよーくわかっとるはずやないんかのう。」
祖母は見つめ、昭子は項垂れ、
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